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平成18年2月 少し前の釧路の学習塾業界今回は、釧路の学習塾業界についてお話させていただきます。せまくてマニアックな業界ですけど(笑)。私が新米の学習塾講師だったころ、釧路の学習塾業界は、今とは状況が大きく違っていました。NTTタウンページの「塾・進学教室」の欄には、大手・中小・個人塾がたくさん名を連ね、今の倍以上の学習塾があったと記憶しています。当時は、「教室を出せば生徒が集まる」「広告を打てば生徒が集まる」といった状況で、市内・管内に複数教室を展開していた学習塾が多くありました。教室の経営規模も、今とはまったく違いました。私が勤めていた某学習塾では、1教室に500名とか600名とかの生徒が通っていましたから…。 今思えば、すごい数ですよね。学校の生徒数より多いわけですから。1クラスに30名以上といったことも普通でした。その後私は、お世話になった某学習塾を退職し、同僚らと「S館」という学習塾を立ち上げました。釧路市・釧路町に複数教室を展開し、ピーク時には5教室で400名以上の塾生をかかえていたものでした。 今の釧路の学習塾業界さて、時は流れ、現在の釧路の学習塾業界はといいますと…。(少子化の影響で、どこの地域も同じようなものですが)老舗のあの塾も、準大手のあの塾も、それなりに生徒を集めていた某個人塾も、全道展開している個別指導のあの塾も、今はもうありません。少子化の影響で、子ども自体が少なくなり、通塾率に差はないものの、不景気のせいで塾へ通い出す時期が年々遅くなっています。(全道的に、通塾率は横ばいか微増傾向にありますが、釧路地区に関しては通塾率自体が下がっています)どこの学習塾も、生徒獲得に頭を痛めているというのが現在の状況です。 昔は、例えばチラシの効果は「千三つ」(チラシを千部折り込めば、3件の問い合わせがあるという意味です)と言われたものですが、今は「万三つ」以下(実際には、チラシを1万部折り込んで、問い合わせが1件あるかどうかです)と言われています。近年、学習塾のチラシが減っているのは、費用対効果が悪化しているからなんです。最近は、「無料・春期講習会」などを実施して、早期に生徒を囲い込もうとする動きも増えてきました。学習塾業界のみならず、どの業界も昔とは大きく変わってきていますが、それにしても時の流れを強く感じます。 不思議な業界思えば、学習塾業界は不思議な業界です。上場企業の大手学習塾も小さな個人塾も、「塾」という1つのカテゴリーにくくられ、補習塾もあれば進学塾もあり、指導スタイルも、塾の実力も、講師のレベルもまちまちです。まぁ、言ってしまえば、「よくわからない業界」の代表格なんですよね!学習塾は、今も生まれては消えを繰り返しています。考えてみれば、必要最小限の資金とスペース、それに教える力さえあれば、だれでも開業できるビジネスなんですよね。ですから、明確なビジョンや経営理念、たしかな指導力もないまま、「はい、学習塾をはじめましたよ」ってお気軽にはじめる人がとても多いものです。お気軽にはじめたものだから、閉じるのもお気軽。そういったケースが、とても多い業界なんです。 訴訟トラブルで悪名高い某FC学習塾に、「チラシを入れると、必ず生徒が○○名以上集まります」「××円の投資で、必ず△△円以上もうかります」という甘いことばでだまされ、教室を出したもののまったく生徒が集まらず、1年もたずに閉じた学習塾もありましたっけ。 学習塾も勝ち組・負け組に全国的に廃業する学習塾が増加している中、釧路の学習塾業界も、本当にきびしい状況にあります。しかし、そんな中にあっても順調に生徒数を伸ばしている学習塾が、ごく一部ですがあるんです。好きなことばではありませんが、「勝ち組・負け組」という表現は、学習塾業界にももちろん当てはまります。私の知り合いが経営している学習塾は、釧路のこんな厳しい状況下にあっても、着実に生徒数を増やしています。知り合いのプロの家庭教師も、口コミで評判が広がり、生徒を持ちきれない状況にあります。おかげさまで、当教室も右肩上がりに順調に生徒数が増えています。ありがとうございます! 進化する学習塾さて、私ごときが講釈をたれるのは気が引ける(苦笑)のですが、一部の実績を伸ばしている学習塾に共通していえることは、「年々、確実に進化している」ということです。ゆとり教育の結果、子どもたちは本当に勉強をしなくなりました。学習意欲が低下している中で、昔と同じ方法で指導をしたなら、どこかに「ひずみ」が生じるのは明らかです。子どもたちの勉強に対する意識が変わってきているので、学習塾はそれに臨機応変に対応していかなければ、受け入れられるはずもありません。また、伸びている学習塾の経営者は、明確な経営理念とミッション(使命)を持っています。「何のために、学習塾を経営しているのか?」「学習指導を通して、子どもたちに伝えたいことは何か?」それが明確ではない学習塾は、早晩消えて行く運命にあると思うのです。 ピンチがチャンス!実は私、最近の釧路の学習塾の状況を「ピンチ」ととらえていたのですが、今は逆に「チャンス」ととらえています。私は釧路の人間ですから、釧路を悪く言いたくないのですが、子どもたちの学力レベルは全道でも最下位レベル。おまけに、昔から教育不熱心(?)な土地がら。不景気な道内の中にあっても、輪をかけて不景気な地域ゆえ、通塾率は低下する一方。少子化と通塾率低下、教育不熱心のトリプルパンチ(おまけに、学習塾へ通わなくても市内の高校に合格できるので、受験勉強の意識も極めて低いんです)で、塾のダメージは倍増。撤退・廃業する学習塾も、あとを絶ちません。 「どうしてこんなに学力が低いの?」「こんなにひどいのに、どうして放っておくの?」「えっ、塾へ通っている生徒がこれだけしかいないの!」と驚く転勤族の方…。学習塾を経営する身として、以前は先行きに強い不安を感じていましたが、今は180度逆なんです!「こんな状況だからこそ、ラッキーなんだ♪」と思うんです。 学力が低い地域だからこそどういうことかというと、「これだけ学力、学習意識が低い土地(失礼!)だからこそ、『あそこの塾へ通ってから、子どもが自分から勉強するようになった!』と喜んでもらえれば、あとは自動的に生徒が集まってくれる♪」「きちんとしたことをやっていれば、学習塾選びに失敗した生徒が、評判を聞いて自然に集まってくる♪」(他塾さんごめんね!)って、心底本気で思っているんです。それと、もう一つ。「常に改良点を見つけ、学習塾として進化し続ければ、もっと塾生と親御さんに喜んでもらえる」と考えています。学習塾選びに失敗し、塾をやめる子はけっこう多いものです。そんな子どもたちが、「前の塾ではダメだったけど、ここの塾ならやれる!」そう思って通ってくれるなら、こんなうれしいことはありません。 「『違い』がわかる人だけ来てくれればいい」そう考えています。ですから、頭を下げて、「ぜひ、ウチの塾に通って下さい」などと一切言いませんし、責任を持っておあずかりできる人数を設定し、定員に達した場合は入会をお断りしています。おかげさまで、順調に塾生が増えています。ありがとうございます。 釧路ってレベル高いんですよ!ここだけの話ですが、釧路の学習塾ってレベルが高いんですよ。本当ですよ!いつも、このNLに書いていますが、低学力の生徒の学習指導は、本当に難しいものです。勉強うんぬん以前に、集中力が続かない場合が大半です(笑)し、「成績が上がらない」との理由で、退塾する場合も多いものです。そういう生徒の成績を伸ばすとなると、通り一遍の授業だけでは限界があります。そこを補うには、講師に+αの力が必要になります。ですから、積極的に低学力の生徒を受け入れ、なおかつ定着率が高い学習塾は、とても指導力が高い(面倒見が良い)学習塾といえます。今でこそ、成績を問わずに入会を認めるのは、全国どこでもあたりまえですが、少し前までは「成績下位者はお断り」というのが普通でした。しかし、釧路の学習塾業界は、最大手の学習塾が入会条件をナシにしていたので、昔からアリアリ状態だったんです。そうしないと、「塾生いない状態」になってしまいますから(笑)。 熾烈なバトル開始です!僕らの業界は、横のつながりがあまりありません。ですから、他塾の情報はあまり耳に入ってこないものですが、私は「地獄耳」(?)なので色々と情報が入ってきます。今年も、釧路の学習塾業界は、例年以上に「熾烈なバトル」が繰り広げられそうです。いよいよおもしろくなってきました♪スポーツでもそうですが、敵が弱かったら、おもしろくありませんからね。《他塾さんへ》お互いに切磋琢磨して、釧路の子どもたちの学力を底上げしましょう。勉強を通して、子どもたちに「努力する姿勢」「目標を達成する姿勢」「問題を解決する姿勢」「自力でものごとを考え・調べる姿勢」を身につけてもらうべく進化して行きましょう。人数では大手に勝てませんが、ウチは「質」で徹底的に勝負しますよ。で、そちらを退塾した子がいたら、ウチに紹介してね(大笑)!またまた変な話で、失礼しました。 |